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by holistic-medicine | 2011-12-02 13:11 | 本部・関東
シンポジウム2011 報告
            ホリスティック医学シンポジウム2011 レポート
            2011年11月13日 於:東京・全電通労働会館
          「未来につなぐいのち ~ホリスティック・コスモロジー」

         おかげさまで、満員御礼となり盛況に幕を閉じることができました。
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◆帯津良一会長の講演

冒頭で「天災は忘れた頃にやってくると言われるがいまは忘れないうちにやってくる。
世界各地の紛争も絶えたことがない。
政治・経済は乱れ、医療も本来のぬくもりが戻らない状態が続いている…。
これは地球の場の自然治癒力が落ちているのではないか」と言及。
自然治癒力とは、「その場のエネルギーが低下した時、これを回復すべくその場に本来的に備わった能力である」として、中でも最も場のエネルギーが高いのは仏教で言われている浄土であり、そこに満ち満ちているのは一切の衆生を救わんとする「阿弥陀様の本願」。
これを科学的に説明するのは難しいが、「弥陀の本願」は自然治癒力の偉大さを現している。
一方で、「生きとし生けるものが胸に抱いている悲しみには人を癒す力がある」という写真家の藤原新也さんの考えにも同意し、今では、「本願と悲しみ、他力と自力の統合の中に自然治癒力があると理解している」と帯津会長。
そして、自身が大学生だった頃の昭和30年代前半に思いを馳せ、「当時は若者たちが、立身出世ではなく、聖人、賢人になろうとする青雲の志を持っていた時代だった」とふり返ります。
人々の胸に希望の灯が灯り、老いも若きも誰もが同じ方向を見ていた(映画『三丁目の夕日』で描かれているような)時代。
科学や医療は今のように発達してはいなかったものの、人々が青雲の志を持っていた時代に戻ろうというのが帯津会長の言わんとする「場の文化」の再生です。
各自が「今日が最後の日、明日はない」という気持ちで生きることが地球の自然治癒力を高め、場の文化の再生につながる、と結びました。


◆宗教学者の山折哲雄氏による講演 

山折氏は岩手県の花巻出身で、自身が4月に被災地を訪れた時のもようについて、「まったく声を失った。地獄という言葉が浮かんだ」と自然の残酷さを静かに語られました。と同時に、晴れ渡る空で美しい山の稜線を見ていると、「結局はこの美しい自然によってしか慰められないのではないかと感じた」そうです。自然の持つ皮肉な二面性。太古からその自然に耐え、がまんしながら生き抜いてきた日本列島に住む人たち。
山折氏は、この日本の自然のダイナミズム(災害)が日本人特有の宗教観と密接に関わっていると言います。
山折氏は、物理学者の寺田寅彦の名をあげ、寺田は『日本人の宗教観』の中で地震列島に住む日本人は自然に反逆することを諦め、無常という言葉で現した。
つまり、日本人は仏教が伝わる以前から心のうちに天然の無常観を育て、その上に仏教の論理的な無常観が重なった、と。
従って、日本人は無宗教と言われるがそれは自己誤認であり、「太古の昔からいのちを脅かす自然災害とつきあってきた日本人が無宗教であるはずがない」と語られました。
宮沢賢治も、「世界全体が幸福にならなければ個人の幸福はありえない」という言葉と同時に、『グスコーブドリの伝記』の中で個人と全体が抱える倫理的ジレンマを描いている。
同時に、人間のいろんな可能性にかけようとチャレンジし、明るい科学、温かい芸術、そして力ある宗教、それらを回復することによって人間全体の向上をはからなければいけない、と言っていた。そんな賢治の人生を総括すれば「今の日本列島が見舞われている状況を脱出するためのヒントがある」と結びました。


◆映画『ホピの予言』上映(監督=宮田 雪) 

1986年に製作されたネイティヴアメリカンのホピ族にまつわるドキュメンタリー映画。
シンポジウムで映画を見た参加者からは、次のような感想が寄せられました。

・25年前の映画とは思えない内容でショックを受けました。
 自然についてもっと深く慎重に受け止めなければと思いました。
・いま、自分が思っている問題、世界が抱えている課題を具体的に提示されたように思う。
・これをきっかけに私にできることを考えていきます。

この映画は来年、仙台でも下記日程で上映会を行う予定です。
「映画“ホピの予言”上映と心の法話会」
出演:大下大圓氏、遠藤園子
日時:2012年2月19日(日)
会場:せんだいメディアテーク7F/ 主催:仙台事務局