by holistic-medicine | 2011-06-08 10:03 | 中部支部
中部シンポジウム2011 ―6月5日報告―
ホリスティック医学シンポジウム中部2011

“いのち”に寄り添う ~ひと、たましい、医療~

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【日時】2011年6月5日
【会場】ウィルあいち
ウィルホール
(名古屋市東区上竪杉町1)







 今回のプログラムは終末期ケア、ならびに死の看取りに及ぶまでの医療がどのように役割りを果たせるのか、また、患者さんを中心とした人間関係を円滑にするには(満たされた臨終を迎えるには)というテーマを掲げた。
 日本人の死生観とは何か、「わたしがわたしで本当に良かった」と思えるような死を向かえることは可能か?という、そもそも論を紐解くべく、和学(japonology)を専門学域とする南山大学、まどか・アッセマ・庸代准教授に「日本人の“いのち”感」を説明いただいた。「身に合った振る舞い」「和語が示すいのち感」「“場”のエネルギー」など高邁なステージを自然に受け入れられる日本人の素質にあらためて気付かされた。

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 午後の基調講演「いのちに寄り添うスピリチュアルケア」(飛騨千光寺住職、大下大圓氏)では、世界スケールでみる宗教(観)的「いのち、たましい」の捕らえ方、瞑想療法の効果・効用、ターミナルケアでの実際の事例など、僧侶のイメージとは異なる学際的な研究と成果の発表をいただいた。もちろん専門領域である仏教・仏典にみる生命・いのち感も説明いただいた。


 研究講演、基調講演を終えてシンポジウムでは、各パネラーに説明をより理解しやすくするために、事前にパワーポイントデータとしてそれぞれ15分前後、提示・解説いただいた。特に船戸医師からは、悪性病で若くして亡くなった本人と家族の手記、年月経過してからの家族の思いなど、実話にもとづいて解説いただけた。これには会場の聴者も感慨深く聴き入っておられた。恒川医師、堀田医師は統合医療、補完医療を用いた時の患者さんの事例報告を中心に解説いただいた。癌のステージ4の患者さんの5年生存率(総数50余名)が50パーセントに達する報告(通常は20パーセントを超えない)。薬を少なく処方できる方法など多岐に渡った。


 パネルディスカッションでは、終末期医療の改善が促されない理由として、医療システムの不備を挙げられた。医療者が「行ってあげたいが保険適用でないので行えない」、「医療外の助言、例えば死についてや博愛情の吐露など」、課題は多いように思う。
 大学者であるまどか氏は東京大学大学院での遺伝子研究の経験もあるため、国内外の研究者とも交流がある。医学研究における、国内の教育システムも万全とは言い難い状況だという。直ちに成果を求める研究に走りやすい研究者の意識改革と、それを支える国家的な応援も必要ではないか。


 今回シンポジウムの参加者は173名だった。午前、午後と長時間に及ぶ学習会ではあったが、ほとんどの方が最後のプログラムまでおられた。挙手による医療従事者、コ・メディカルを尋ねたところ、およそ半数であった。
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